大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

札幌高等裁判所 昭和34年(ラ)71号 決定 1960年2月26日

抗告人 浜口幸吉

主文

本件抗告を却下する。

抗告費用は、抗告人の負担とする。

理由

本件抗告の趣旨並びに理由は別紙記載のとおりである。

しかしながら、民事訴訟法第六八〇条によれば、不動産競落許可決定は即時抗告に服する決定であるから、右決定に対する再審申立を却下した決定に対しては、同法第四二九条、第四二三条によりその告知を受けた日から一週間内に即時抗告のみをなしうるものと解されるところ、本件記録によると、抗告人は札幌地方裁判所昭和二八年(ケ)第八五号不動産競売事件において同裁判所が昭和二九年六月二一日にした競落許可決定に対して再審の申立をし、同裁判所は昭和三四年一〇月八日右申立却下の決定をなし、その決定は、同年一一月一〇日、抗告人に送達されたこと及び抗告人が本件抗告状を当裁判所に提出したのは即時抗告申立期間を経過した同月一八日であることが明らかであり、同日が日曜日その他の一般の休日に当らないことは当裁判所に顕著な事実である。

しからば、本件抗告の申立は不適法であつて、その欠缺は補正することができないから、民事訴訟法第四一四条、第三八三条、第九五条、第八九条を適用して主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 石谷三郎 裁判官 渡辺一雄 裁判官 岡成人)

抗告の趣旨および理由

原決定を取消し、札幌地方裁判所昭和二八年(ケ)第八五号不動産競売事件について同庁が昭和二九年六月二一日なした競落許可決定は取消す。

主張事実は原決定に理由として摘示された通りである。しかしながら原裁判の判断はすべて違法であり承服できないから更に御庁の公明なる裁判を求めるため抗告申立をする。

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例